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2008.11.30

米国の金融危機の嵐で、中国の高層ビルにも影響が

「100年に一度」と言われる米国の金融危機の嵐は、あれほど元気一杯の中国の高層ビルにも影響を及ぼしているようだ。

上海市内に国際金融センター(上海環球金融中心)のビル“上海ヒルズ”が完成したという話を、9月12日付けのブログでお伝えした。(詳細はこちら
ところが実態は、特に米国系メガバンクや証券会社などの金融機関の入居が遅れ、目下の契約率は50%程度だと聞く。

Photo しかも、市内のビル群を遠くから見ると摩天楼が立ち並ぶ素晴らしい眺めのようだが、中国で仕事をしている知人からのメールによると、“上海ヒルズ”の足下は、地下鉄工事やら道路工事やらで、町中がひっくり返っているのが実情のようだ。(写真をクリックすると拡大)

一方、広州市の状況について彼は、「だいぶ以前に建て始めた40~50階建ての高層ビルが、放ったらかしになっている。まるで“幽霊ビル”のような、みっともない姿をしている」と写真を送ってくれた。(写真をクリックすると拡大)
081123しかも、このようなビルは珍しくないという。建てている途中に財政破綻で資金繰りに問題が起きたのか、何かの設計上の技術的な問題が見つかったのか、都市計画に行政上の変更があったのか、工事を中断した理由は分からない。

建設途中の建物と言えば、スペインの都市バルセロナにあるアントニオ・ガウディの「聖家族教会」が世界的に有名だ。こちらは、あまりにも壮大な規模で、19世紀に建設が始まって以来、足掛け3世紀に渡る建設工事が未だに進行中。その長い時間の中に、文化を感じることも出来る。また重要な観光名所にもなっている。

他方、広州のビルのように建設途上で放置しておくと、鉄骨がさび付いて工事が再開できなくなるのではないかと、他人事ながら心配になる。こうした命を持たないビルが点在するようになると、そこに暮らす人々の心も荒んでしまうに違いない。
急成長を目指して全速力で突っ走っている中国だが、ムリをしすぎているようにさえ見える。
オリンピックを終えて、2010年に開催予定の上海万博まで活力が保てるのか、心配になってきた。

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2008.11.23

グーグル“ストリートビュー”はセキュリティ、防犯上に課題あり

グーグルが今年(2008年)8月にサービスを始めた「ストリートビュー(SV)」が話題になっている。

このサービスを利用すると、地図、衛星写真、建物の周辺の状況などを対照して見ることが出来るため、会社を訪問するとき、知人に自宅を知らせるときなどは、すこぶる便利だ。
その一方で、「プライバシーを侵害している」「家の中を覗かれて気持ちが悪い」などの声が高まっている。
「“公道”から写した写真なので、法的には問題はない」そうだが、自宅前の道路から見た外観や空から見た画像が、世界中からアクセス出来る状態に一方的に公表していることに道義的問題はないのだろうか?

つまり、表通りから見たマンションの外観、垣根の構造、入口の位置や構造、敷地の中の建物の位置、玄関の位置、物置や離れなどを見ることが出来る。上の階のベランダを拡大して見ることもできるし、窓の位置によっては部屋の中が覗けることもある。駐車場に止められた車の車種が判別出来ることもある。子供用自転車が映っていれば、子供がいると推測出来る。
特に角地にある大きな邸宅の場合は、衛星写真と合わせて見ると、家の外観のかなりの部分が掴める。たとえば、タレントの自宅住所を一覧表にしたサイトがあるが、そこから住所をコピーペースト(いわゆる“コピペ”)して入力するだけで、グーグルアースやグーグルマップなどの衛星写真、地図、ストリートビューを見ることが出来るから、彼らの住んでいる自宅やマンションがピンポイントで映し出される。(←私は、それを奨励しているわけではありませんので誤解のなきように)

東京都町田市議会は10月、国に規制検討を求め、衆議院総務委員会ではプライバシーの侵害や防犯上の問題について質疑が行われた。
また東京都杉並区は、区民からプライバシーの侵害などを心配する声が寄せられたため、グーグルに、プライバシーに配慮するよう申し入れをした。

こうしたストリートビューに関する議論を見ていると、防犯、セキュリティ、危機管理などの観点からの意見が少ないように思う。
日本人は、自分の身を守ることに神経を配ることに慣れていない。長年、治安の優れた平和な国であったためだが、最近は、そうも言えない。犯罪などに、これだけ無防備な国も少ないのではないか。
ちなみに私は以前から、流しのタクシーを拾って自宅に帰る場合は、自宅の前ではなく数十メートル先で下りて、タクシーが走り去るのを確認してから自宅まで歩くことにしている。

このサービスのプライバシーを確保するため、表示される画像のうち、人の顔は自動認識で“ぼかし処理”がされているが、日本では、車のナンバープレートなどは自動処理は行われていない。

心配だからと、ストリートビューの画像を削除して欲しい時は、グーグルに個別に削除を申し入れれば対応をしてくれるという。(具体的には、「ストリートビューヘルプ」から「不適切な画像を報告する」に入って、人の顔や車のナンバープレートなどの画像の削除を依頼する)
たとえば東京都杉並区は、広報紙や区のホームページを通じて、画像を削除する方法を紹介している。
しかし、「自分の家は削除をして欲しいが、向かいの家は今のままにいておいて欲しいと言っている」となった場合はどうなるのだろう。削除を申し入れたことが画面に表示されて、マズいことにはならないのか。「この部分は、お申し出により削除しました」などと画面に表示されれば、かえって目立ってしまう。個人ではなく、町内会の決議として、「○○町は全面的に画像を削除して欲しい」と申請することは出来るのだろうか?

一時期、「個人情報保護法」の議論が盛んだったが、自宅の構造なども個人情報と考えるべきだろう。衛星写真を拡大すれば、おおよその敷地面積、建坪なども推察出来る。外観写真を見れば、集合住宅か一戸建てか、鉄筋か木造か、築何年くらいかなどが推察出来る。車も、高級外車か軽自動車か、台数も分かる。子供の自転車が置いてあるか、塀はコンクリートブロックか植え込みのある石垣かも分かる。
つまり住んでいる人の“暮らし向き”や経済力の一端が推察出来る。

不動産業に関係する方には、便利なサービスだろう。また“泥棒”にとっても、下見の手間が省けるというメリットはありそうだ。
この無料のサービスは、利用する人にとっては実に便利だ。しかし住んでいる当人、映し出された人にとってのメリットは少ない。

「安心して暮らせる町づくり」を目指すためには、ストリートビューが町の治安維持、防犯の点から問題がないのか、今後、議論をしてゆく必要がありそうだ。

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2008.11.13

インフラ整備に求められる国家観と長期的ビジョン

先月、JR東海が、東京ー名古屋を結ぶリニア中央新幹線の建設ルートを固めた。報道によると、建設費や乗車時間などを勘案して、南アルプスを貫通する直線に近いルートで建設する方針だという。
そんなスゴいことが短期間に計画が固められたことに感心していたところ、旧国鉄時代の1974年頃から長きにわたって地形・地質調査を続けていたのだそうだ。
また東海道新幹線のルートは、戦前に計画され1941年に一部着工された東京-下関を結ぶ「弾丸列車計画」のルートの多くが転用された。そのため用地買収やトンネル工事の期間が短縮され、1964年の東京オリンピックに間に合わせて開通することが出来た。
その新幹線も、はや40年を超す。ルートの負荷を軽くするためにも、代替網としてのリニアが求められる時期なのだろう。また航空機との競合もあるに違いない。

黒部川第四発電所、通称「黒四ダム(くろよんダム)」は、1956年に建設を開始し7年後の1963年に完成した。
しかし黒部川が水力発電に適していることは古くから着目されていた。アルミ精錬に必要な電力を供給するため、すでに1918年(大正7年)には本格的に現地調査が開始されていたそうだ。戦争などで中断していたものの、戦後経済の発展に向けて電力不足が課題となり、また頻発する停電に対処するため、関西電力の太田垣社長(当時)の英断により「黒四ダム」の建設事業が再開された。

1985年に通信が自由化されて電信電話公社(電電公社。現NTT)が民営化されるとともに、第二電電(略称:DDI。現KDDI)が誕生した。DDIは、東京ー大阪間の幹線網を構築するのに、道路を掘って敷設する有線網ではなく、マイクロウェーブで中継して結ぶ無線網を利用して実現した。
マイクロウェーブを設置する山の上などの拠点を探すのは大変な作業が必要とされるが、会社を設立して比較的短期間に幹線網が出来た。その理由は、ずっと以前から電電公社が東京ー大阪間のマイクロ回線の基地のルートを調査済みで、その情報を、電気通信事業の民営化の推進派だった当時の電電公社真藤総裁が進言し、DDIが利用出来たからだ。NTTは光ファイバーに切り替え始めていたため、すでにマイクロ回線のルートの情報は必要がなくなっていた。

Photo ヴェトナムで仕事をしている知人が10月末、「連日の大雨のため、ハノイの町中が大洪水になった。仕事はギブアップなんだ」と、写真を送ってくれた(クリックすると拡大)。下水網が未整備で、道路に溜まった水が巧く抜けないのが洪水の原因のひとつだと言う。
“地上”では、著しい経済発展、技術力向上が見られるヴェトナムだが、目に見えない所では、その発展速度にインフラが追いつけない状態のようだ。

都市交通網、航空網、給水網(水道)などのインフラにしても同じ。
これらを見ると、インフラを構築するには、長期間にわたる綿密な現場の調査が必要となることが分かる。だからこそ、国家観に基づいた長期ビジョンが必要とされるのだろう。

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2008.11.08

太陽光発電は、施工・設置方法、標準規格化を議論すべき段階に

太陽光発電は、発電パネル(太陽電池)の“コストダウン”と“発電効率の向上”が2つの大きな課題になっているが、少しずつ改善されている。
また政府は、道路や駅などの公的施設への導入を進めて、太陽光パネルの製造単価を下げることを考えているようだ。

しかし太陽光による大規模な発電所を展開するには、広大な土地が必要になる。そうなると、発電パネルのコストが削減され発電効率が向上しても、土地代や税金が発電コストを押し上げる結果となる。しかも土地代の安い地方都市に発電所を作ると、大消費地である都市部までの遠距離を送電することになり、送電コストや送電ロスが大きくなってしまう。
これでは、トータルの発電コストは下げられない。

つまり、出来る限り消費地の内部や近くで発電し、しかも複合的に土地を利用することが理想だ。今後は、太陽光発電パネルの施工・設置がしやすい技術開発を行い、社会環境を築かないといけないと思う。

Photo 身近な例として、たとえば右図のような設置方法を積極的に推し進める必要があるように感じている。(図をクリックすると拡大)

図のは、駐車場の屋根に設置する例で、“日除け”と発電を兼ねるものだ。駐車中に、太陽熱で車内が高温になるのを防ぐことが出来る。
図のは、オフィスビルやマンションの屋上に設置して、空調設備の“日除け”を兼ねるものだ。エアコン本体の内部温度や取り込む外気温を下げると、空調機の消費電力を抑えることが出来るだろう。下にベンチを置いて、喫煙所や休憩コーナーにしてもいい。

土地が狭くて高価な日本、貴重な平地を発電パネルを大量に並べるためだけに使うのはもったいない。ソーラーパネルを、雨避け、日除け、雨水収集など、多目的に併用することを考えるべきだろう。

電力事業者などによる大規模太陽光発電所“メガソーラー”を建設する一方で、“エネルギーの地産地消”“電力の自給自足”を推し進めることも必要だろう。つまり、「自分の所で必要な電力の一部は自分で調達する」という発想だ。そのためには、補助金制度や関連する法制度の改革整備と合わせて、施工・設置方法、標準化・規格化を議論すべき段階に来ていると思う。

あるいは、大規模なショッピングセンターや有料道路のサービスエリアなどの広大な駐車場の上、上・下水道の処理場などを、ソーラーパネルで覆って発電をするとか・・・・。
東京の山手線の全ての駅の上をパネルで覆うだけでも、かなりの発電が出来そうだ。
電力を消費する場所の屋根・・・・むろん、南向きで影にならない場所に限定されるが・・・・の全てが候補地になる。「屋根の上にパネルを並べて設置」するのではなく、「屋根、そのものを発電所」にする施工方式が必要だ。

電車のプラットフォームに立って回りを眺めていると、プラットフォームの屋根にも設置出来そうに見えてきた。そして、駅前のパス停の屋根にも、ポリスボックスの屋根にも・・・・。

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2008.11.02

銀行“貸金庫”の営業時間の拡大を付加価値に

以前、外付けHDD(ハードディスクドライブ)がトラブルを起こし、記録していたデータの全てが消滅するという大事件を起こしてしまった。
それ以来、1か月か2か月に一度、外付けHDDの内容を全て携帯型HDDにコピーして、銀行の貸金庫に預けている。
むろん、HDDを入れるために貸金庫を新規に借りることにしたのではなく、ずっと以前から使っていたが、スペースに余力があるので、そこに入れたという次第。

多くの人が、デジカメで撮った写真などを外付けHDDなどに移し替えて保存している。しかしそれが、何かの拍子にトラブルを起こすと、大切なデータや写真が消滅してしまう。せっかく撮った子供の運動会のビデオ映像も、一瞬にしてパーだ。
最近は、一般生活者も危機意識高まっている。これからは、「コピーを取って、貸金庫に置いておく」という考え方も強くなっていくのではないか。
特に、設置型の金庫を置いていない中小企業や商店、SOHO、個人自由業などでは、バックアップデータを保管する貸金庫が頼りになる。

ところが、貸金庫にも問題がある。高い金を払って借りるのだから、盗難や災害などには心配はないと信じているが、問題は、営業時間だ。
私は、個人用として借りているので緊急に必要という非常事態が起きたことはない。しかし印鑑、帳簿、契約書、権利書、カギなどを預けている事業用の場合には、以前の管理データや契約書の履歴などが緊急に必要となる可能性がある。
多くの貸金庫は、朝の9時から午後3時までが利用できる時間で、土日は使えないが、これでは緊急時に困る。
銀行では、「窓口が閉まったあと事務処理をするために、窓口を午後3時に閉めるている」と聞いているのだが、貸金庫では事務処理は要らない。であれば、せめて午後7時頃まで使えるようには出来ないものだろうか。
それに、午後3時に窓口が閉まるという慣習は、もう何十年も前から変わっていない。大規模なコンピュータを使い、24時間稼働しているのだから、窓口を3時に閉める習慣も、そろそろ見直してもいいはずだ。今どき、3時にシャッターを下ろすサービス業は、金融機関くらいだと思うが、顧客の利便性を重視しているとは、とても思えない。


銀行などの金融機関は、金利の大小や振込手数料の無料化などで競っているが、それには限界がありそうだ。貸金庫の営業時間を拡大するなど、付帯業務の付加価値を向上するという競争の在り方もあるのではないか。
「そうは言っても、3時でシャッターは閉まりますから・・・・」という声が聞こえてきそうだが、事前に電話を入れれば、職員さん用の通用口を開けるとか、方法はありそうだ。
企業の危機管理体制が高まる一方で、災害や事件などに対する個人のセキュリティ意識も強くなっている。預金業務から、投資信託などに業務を拡大するだけではなく、「一般生活者を対象としたデータの管理保存サービス」も、新規事業に加えて欲しものだ。
「Yes We Can!」

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