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2008.09.20

目の前に突然、“MADE IN OCCUPIED JAPAN”の食器が出現

我が家の朝食は、長年、パン食を続けている。
先日、長年使い続けているパン皿の絵柄を何気なく眺めていて、その彩色が乱れているのが目にとまった。
裏返して見て驚いた。なんと、“MADE IN OCCUPIED JAPAN”と刻印されている。

敗戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は日本を占領する政策の一環として、日本が輸出する製品には、“MADE IN JAPAN”(日本製)と表示することを許さず、“MADE IN OCCUPIED JAPAN”(メイドイン・オキュパイド・ジャパン 占領統治下の日本製)と刻印することを強制していた。それは、太平洋戦争が終わって2年後の1947(昭和22)年から、サンフランシスコ平和条約が発効した1952(昭和27)年までの約5年間だった。

この時代には、陶磁器のほか、セルロイド製の人形、木やブリキで作ったおもちゃ、カメラや双眼鏡などの光学製品、時計、生活雑貨品などの製品が製造され輸出された。
ブリキのおもちゃの中には、空き缶を利用して作ったものも珍しくない。自動車や船の玩具をバラして内側を見ると、キャンディやケチャップ、オートミール、コーンビーフなどの塗装が残っていたりした。当時は材料にさえ事欠き、進駐軍の基地から流れてきた米国製の缶詰の空き缶を裏返して加工していたわけだ。現在の日本の経済力からすると実感が沸きにくいが、当時の日本は、ほんとうに貧しい国だった。

これらの製品は、戦後の日本の外貨獲得、経済復興におおいに貢献し、やがて今日の経済大国の基礎を築くことになる。

Photo_6 さて、我が家で毎朝、欠かさず使っている皿が、その“MADE IN OCCUPIED JAPAN”の製品であるとは、今まで全く気が付かなかった・・・・と言うか、関心も持たなかった。
右と左の写真は、我が家で普段使っている皿だ。もちろん、昨日も、今朝も。

Photo_8 食器棚を確認してみると、メーカーの裏印(商標)に合わせて、“MADE IN OCCUPIED JAPAN”と刻印された皿などがいくつか見つかった。
外貨を稼ぐための貴重品を、どんな巡り合わせか、我が家の普段の生活で使っているわけだ。


Photo_9皿の裏側の真ん中に小さく刻印された裏刻の下の“MADE IN OCCUPIED JAPAN”の文字が、当時の製品であることの証だ。

幾度かの引っ越し、毎日毎日の酷使にも、そして阪神淡路大震災の激震にも耐えて、食器棚 → 食卓 → 流し の間を、50年以上にわたって、“歴史の生き証人”として回り続け、我が家で生き抜いてきたことになる。
皿のプリント印刷の部分はまずまずだが、職人が絵筆を使って色を入れた個所は、かなり雑な仕上がりだ。今であれば、海外、国内を問わず、とても市場に出すことは出来ないだろう。戦後の混乱期の社会情勢が目に浮かんでくる。

“MADE IN OCCUPIED JAPAN”と刻印された商品は、「OJ Collectibles」と呼ばれてコレクターも多く、オークションなどでは高額で取引されているそうだ。
だからといって、私と人生を共に生きてきた“食器”を見放して、直ちにネットオークションに出品するなどもってのほか。我が家の仲間として、これからも仲良くしていきたいと思う。
あまり品質の良くない印刷デザインに改めて目をやり、愛着を感じながら、「ありがとう」「これからもよろしく」。

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2008.09.12

知人が中国の“上海ヒルズ”展望台へ上ってきました

中国に駐在している知人が、上海市浦東新区に8月末に完成し新たなランドマークとなった「超高層ビル“上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center=SWFC、通称“上海ヒルズ”の展望台へ登ってきたよ」と、写真を送ってくれた。

Photo_2ビルの高さは、492m。その100階にある展望台は、地上からの高さが474mで、現在のところ世界で一番高い。ただしUAE(アラブ首長国連邦)で建設中の“ブルジュ・ドバイ”は高さが819mに達すると言うから、“上海ヒルズ”が世界一の座が誇れるの長くはなさそうだ。
ちなみに、日本で一番高い展望台は横浜にある“横浜ランドマークタワー”のスカイガーデンで、高さが273mで96階だから、“上海ヒルズ”の方がかなり高いことになる。
右のパノラマ写真の中央右寄りに建っている超高層ビルが“上海ヒルズ”(クリックすると拡大。写真は、上海環球金融中心のサイトより引用)。

Photo_4 ビルの上部には、“風水”を考慮して四角い“穴(窓)”が開いていて、その穴の上部の100階には“スカイウオーク100”が、また下部には“スカイウオーク97”“スカイアリーナ94”の展望台がある。

“スカイウオーク100”は、8月30日に営業を開始してから10日ほどしか経っていないこともあって大人気Photo_3で、私の知人は地下1階の入口で3時間ほど待たされたそうだ。展望台へ行くエレベータは、知人が計ってみると、一番下の94階まで上るのに66秒も掛かかった。最上階にある“スカイウオーク100”まで全ての展望台に入れる入館料は成人で150元(日本円に換算すると約2,400円だが、経済格差が大きい中国では、人によっては1万円くらいの感覚かも知れない)。
フロアーは透明ガラス張りで、真下の景色が見えるから、かなりのスリルがある(写真を参照。クリックすると拡大)。

Photo_7100階の“スカイウオーク100”から下界の眺め。
見える川が、上海の有名な観光スポットである“外灘(ワイタン)”界隈。




Photo_5左手前が、これまで一番高かった「金茂ビル」(88階建て)の上部。

“上海環球金融中心(上海ヒルズ)”の公式サイトはこちら

この浦東新区の地域は、1992年に故鄧小平氏が上海を視察したあと、改革・開放を指示したのがきっかけとなって、金融都市として開発がはじまったのだそうだ。それから、わずか16年。これほどまでに発展することを、鄧氏は想像していただろうか。
国家の将来を担う人は、将来のビジョンを描くことが如何に重要であるかを教えてくれている。この上海ヒルズは、その象徴でもあり、また経済成長の勢いを感じさせる。

る。

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2008.09.11

コンサートを楽しむには、ホールへの道中の雰囲気も大切

先日、阪急西宮北口の駅の近くにある兵庫県立芸術文化センター(芸文センター)へ行き、センター専属の交響楽団であるPACオーケストラの定期演奏会を楽しんできた。
演奏会は、素晴らしかったのだが、ここで言いたいのは、その道中で思ったこと。

コンサートが楽しいかどうかは、言うまでもなく演奏が良かったかどうかによる。いわばこれは、レストランで食事をしたときのメインディッシュのようなもので、メインディッシュが素晴らしければ、その日のコンサートが楽しい想い出として記憶に残るとは限らない。
座席の位置、観客の質、開演前のロビーの雰囲気などもメインディッシュを左右する。あるホールでは、開演を知らせる爆音のように大きな音のブザーには驚かされた。

もう一つ演奏会で大切なのは、最寄りの駅を下りて、ホールへ向かって歩きながら心を切り替える道中の時間と雰囲気だ。みんなウキウキしながらいい顔をして歩いている。そして、ホールではじっくりと音楽を聴いて、終わると最寄りの駅へ歩いていく、あるいは喫茶店などに立ち寄ったりレストランで食事をしながら、また一杯やりながら、音楽の余韻を楽しむ・・・ということで、「演奏会を鑑賞する」というイベントが完了することになる。
通路で、他の演奏会のチラシを配っていることも多いが、あれも雰囲気を盛り上げてくれる。
演奏が始まる前や終わったあと、出演者がロビーに終結して余興の演奏をして来場の感謝の気持ちを表したり雰囲気を盛り上げることもある。

芸文センターの場合、西宮北口の駅から、外に出ることなく回廊づたいに3分ほど歩くだけだから、場所的には非常に恵まれている。センターの敷地に入ると、木張りのデッキを、両側に掲げられた公演ポスターを眺めながら入口に向かって歩いてゆく。音楽鑑賞の雰囲気が盛り上がってゆく。
ところがセンターの敷地に入る前に続く両サイドの店は、金融機関の窓口やATMであったり、予備校であったり、大きなスポーツジムであったりする。芸文センターのイベントとは範疇が異なった店が多い。
最近になって語学教室の場所が、楽器や楽譜、グッズなど、主にクラシック音楽に関するものを売っている店になり、少し雰囲気が良くなった。

むろん、どんなテナントを入れるかに劇場側が口出しをすることは出来ないから、全ての店を音楽、芸術、芝居、講演などのジャンルに揃えることは不可能だ。しかし、消費者側の個人的意見としては、もう少し何とかならないものかと思う。
新設ホールの善し悪しを、音楽評論家は、「残響時間が何秒」などで評価する事が多い。しかしホールは、いわば天守閣で、それを取り巻く内堀、外堀などの立地環境こそ大切ではないか。
関連する店を優先するとか、ストリートミュージシャンが演奏するなど、地域と一体となった芸術文化の街作りが出来ないものかと思う。

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